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【会計】減価償却方法のまとめ(難易度:少し細かい)

2017年06月11日

久しぶりの更新となります。

今回は、経理では必ず会計処理するものですが、何度もその取扱いが変更され、「あれ?何だったっけ」と少し考えてしまう減価償却の方法についてです。

自分でも備忘録として記録しておこうと思い、記載しています。

 


まず、「減価償却」を簡単に説明します。

(減価償却の定義)

会計の世界では、業務のために用いられる建物、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両などの資産は、一般的に時間の経過等によってその価値が減っていくものと決められています。消耗品費などとして、すぐに経費として落とせないということですね。

そのような資産は、取得に要した金額が、取得した時に全額経費になるのではなく、その資産の使用可能期間にわたり分割して経費としていかなければなりません。この分割して経費にしていく会計処理のことを「減価償却」といいます。

(減価償却の目的)

減価償却の目的は、適正な費用配分を行うことで、毎期の損益計算を正確にすることです。このためには、減価償却は所定の減価償却方法に従い、計画的、規則的に実施されなければなりません。

 


では、今現在の「所定の減価償却方法」です。(減価償却方法の内容についてはここでは割愛してます)

勘定科目ごとに従うべき所定の減価償却方法が毎回変わるから、めんどくさいです。一度こういう表を作っておかないと思い出すのに苦労します。

H10年3月以前 H10年4月 H19年4月 H24年4月 H28年4月~
建物 旧定率法

旧定額法

旧定額法 定額法 定額法 定額法
建物付属設備 旧定率法

旧定額法

旧定率法 250%定率法 200%定率法 定額法
構築物 旧定率法

旧定額法

旧定率法 250%定率法 200%定率法 定額法
工具器具備品 旧定率法

旧定額法

旧定率法 250%定率法 200%定率法 200%定率法
機械装置 旧定率法

旧定額法

旧定率法 250%定率法 200%定率法 200%定率法
車両運搬具 旧定率法

旧定額法

旧定率法 250%定率法 200%定率法 200%定率法

 

以上、ここまでで備忘録という意味では目的達成です。

 

あとは、ダラダラとなりますが、きちんと解説しておきます。

何度もその取扱いが変更されたのは、税制改正の影響によります。

 


【平成10年度税制改正】

・H10年4月1日以後取得の資産

平成10年4月1日以後取得の建物については定額法だけに一本化されることになり、これまで認められていた定率法による減価償却が認められなくなりました。

 

【平成19年度税制改正】

・H19年3月31日以前取得の資産

法人が平成19年3月31日以前に取得をし、かつ、同年4月1日以後に事業の用に供した減価償却資産については、その事業の用に供した日において取得をしたものとみなされます。

「旧定額法」

旧定額法の償却限度額= (取得価額 - 残存価額) × 旧定額法の償却率

「旧定率法」

旧定率法の償却限度額= (取得価額 - 既償却額) × 旧定率法の償却率

 

・H19年4月1日以後取得の資産

平成19年4月1日以後に取得をされた減価償却資産については、償却可能限度額及び残存価額が廃止され、耐用年数経過時に残存簿価1円まで償却できるようになるとともに、新たな償却方法として、従前における計算の仕組みとは異なる定額法や定率法などが導入されました。

「定額法」

定額法の償却限度額=取得価額×定額法の償却率

「定率法(250%定率法)」

定率法の償却限度額 = (取得価額 - 既償却額) × 定率法の償却率

 

(※)調整前償却額が償却保証額に満たない場合

定率法の償却限度額= 改定取得価額 × 改定償却率

 

「償却保証額」とは、減価償却資産の取得価額にその減価償却資産の耐用年数に応じた保証率を乗じて計算した金額です。

「改定取得価額」とは、原則として、調整前償却額が最初に償却保証額に満たなくなる事業年度の期首未償却残高をいいます。

 

【平成20年度税制改正】

機械及び装置を中心として耐用年数が見直されました。この改正後の耐用年数は、平成20年4月1日以後開始する事業年度から、既存の減価償却資産を含めすべての減価償却資産について適用されます。

 

 

【平成23年12月税制改正】

・平成24年4月1日以後取得の資産

平成24年4月1日以後に取得をされた減価償却資産に適用される定率法の償却率について、定額法の償却率を2.5倍した償却率(この償却率による償却方法を「250%定率法」というようになります。)から、定額法の償却率を2倍した償却率(この償却率による償却方法を「200%定率法」というようになります。)に引き下げられました(「保証率」及び「改定償却率」についても、この償却率の改正に合わせて見直されました。)。

「定率法(200%定率法)」

250%定率法と式は同じ。

 

 

【平成28年度税制改正】

・平成28年4月1日以後取得の資産

建物附属設備及び構築物(並びに鉱業用の建物、建物附属設備及び構築物)についての償却限度額の計算上選定をすることができる償却方法について、定率法が廃止されました。

 


同じ勘定科目なのに、その取扱いが変わっているのがわかります。ご参考にして頂ければと思います。

それでは。

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難易度は、経理初心者~若手経理ご担当者の方くらいを目安にしています。

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