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【税務】印紙税 課税文書とは何か (難易度:ふつう)

2018年06月11日

印紙税とは、印紙税法に基づいて、課税文書を作成した場合に課される税金のことをいいます。

今回は、「印紙税が必要なのかどうか」「課税文書に該当するかどうか」について考えていきます。

 


まず、少しだけ課税文書とは何かについて。

 

そもそも、印紙税が課税されるのは印紙税法で定められた「課税文書」に限定されます。

そして、課税文書とは以下のものをいいます。

①印紙税法別表第一(課税物件表)に掲げらている20種類の文書により証明されるべき事項

②当事者間において課税事項を証明する目的で作成された文書であること

③印紙税法第5条(非課税文書)の規定により印紙税を課税しないこととされている非課税文書でないこと

 

課税文書に該当すると印紙税がかかる、ということですが、どうやら「文書」というのがキーワードのようです。

課税物件表に掲げられている内容については、検索して、見ればわかるので、ここでは割愛します。

(特によく登場する「2号文書 請負に関する契約書」等の考え方についてはまたの機会にします)

 


では、「文書」とは何か。

「文書」についての基礎知識です。

用語の整理から

・課税対象となる文書 → 課税文書

・課税対象となる文書であるが、非課税とされている文書 → 非課税文書(※)

・課税対象とならない文書 → 不課税文書

(※)営業に関連しない金銭受取りのことや、法定されている一定金額以下のものをいいます

 

つまり、課税対象となる「文書」であれば、印紙税が必要だということです。課税対象とならないものや非課税とされる文書もあるのだな、という理解でここは留めておきます。

 


そして、「文書」そのものの理解です。

「文書」とは「紙」に限定されない。一定の権利や物の給付関係などを記載した「有体物」である、とされます。

ベニヤ板や布などに対して、該当する契約内容が記載されており、署名押印等されている場合にはベニヤ板や布までも「文書」となり(どうやって印紙を貼るのかはさておき)、「課税文書」となり得ます。

 

・・・ということは、逆にいえば「文書」に該当しなければ、印紙税はかからないということになります。

 

確かに、フロッピーディスクなどの電磁的記録を保存するような磁気媒体等については、表示が表面に出ず媒体内で保存されるだけであるから、権利関係等が表面的に明らかにされないと考えられ、課税文書には該当しません。(媒体内で保存されるだけというのがポイントなのでしょう。)

 


さて、まとめです。

内容的に「課税対象」であっても「文書」でなければ、印紙税は不要です。

 

契約書等を作成する場合、電子メール等でPDF送信すれば、「有体物」「紙」にはならないので、印紙税は必要ありません。

また、契約書の原本を1部作成して収入印紙を貼り、もう一方は複写機でコピーしたものであれば、原本ではなくただのコピーなので、これももちろん印紙税は必要ありません(この場合、あくまで写しとすること。原本扱いしないこと。)

 

これらは、昔からいわれている節税方法ですが、「紙媒体から電子化へ」という世の中の流れもあります。

「印紙税が必要なのかどうか」・・・節税したい

「課税文書に該当するかどうか」・・・紙が増えて困る

と考え、

これからは、契約書など電子化して保存すること、これもスマート管理と節税に繋がって良いと思います。

 

それでは。

難易度 やさしい < ふつう < 少し細かい
難易度は、経理初心者~若手経理ご担当者の方くらいを目安にしています。

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