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【税務】接待交際費のまとめ (難易度:ふつう)

2017年06月16日

「交際費は800万円までは経費にできる」

「一人当たり5000円までの支出であれば交際費であっても経費にできる」

「交際費勘定を使わないで、会議費など他の勘定科目にすればよい」

など、初めて会うような経営者(あるいは経理担当者)に平然と言われることがあります。

交際費は税務調査において高い確率で調査対象となる項目です。経費になる交際費とは何か、間違いやすい項目なので、一度内容を確認しておく必要があります。

 


まず押さえておきたいのは、『事業に関連しない交際費であれば当然経費にできない‼』ということ。

それから、原則論です。『企業が支出する交際費の額は原則として損金不算入である』ということ。調査で「これは交際費ですね」と指摘されると経費にできないということです。

そしてここから中小企業への配慮や、近年ではデフレ対策などから、一定の要件のもと例外的に経費にしてもいいよ、という流れで規定が作られています。

簡単にまとめると以下のようになります。

大企業

 

支出する交際費等の額のうち、「接待飲食費」の50%相当額を超える部分は損金不算入。つまり、接待飲食費の50%までは損金算入OK

(ただし、専らその法人の役員、従業員等に対する接待等のために支出する費用(※)はこれに含まない)

※いわゆる社内交際費のこと。社内交際費はそもそも経費性なし

接待飲食費以外の交際費は、全額損金不算入

中小企業 H25年4月1日以後からは年800万円までは損金算入OK

(俗に中小企業の特例という)

中小企業の特例と上記の接待飲食費50%基準とは選択できる。

大企業:期末の資本金の額(又は出資金の額)が1億円超である法人

中小企業:期末の資本金の額(又は出資金の額)が1億円以下である等の法人(資本金の額又は出資金の額が5億円以上の法人の100%子法人等は除く)

 


以下、少し詳細な解説となります。

 

そもそも事業に関連しない支出であれば、経費になりません。「事業に関連する」という点は判断が難しいです。法人と個人とでも少し違うと思います。

ポイントは、①将来売上を得るために必要な支出であるのかどうか、②その事業規模、内容などから金額が相当かどうか、という点で、この辺りが説明できれば良いと思います。

法人は通常(ここでは株式会社を想定)、営利目的で設立されるため、その支出の意味が厳しくなります。個人は活動すべてが潜在的には事業収入に関わるとして、法人よりはまだ事業に関連する幅は広いと考えられます。

 


中小企業では、事業に関連する交際費であれば年800万円まで経費として認められ、優遇されています。

注意点は、月割りがあるということ。  800万円×(事業年度の月数/12)

 


大企業では、何が接待飲食費になるかがポイントです。

基本中の基本は、交際費等のうち「飲食その他これに類する行為のために要する費用(社内飲食費を除く)」であって、帳簿書類に飲食費であることについて所定の事項が記載されている必要があります。

 

<間違いやすい接待飲食費に該当しない費用 = 交際費としてカウント

・接待等を行う飲食店等へ得意先等を送迎するために支出する送迎費

・ゴルフや観劇、旅行等の催事に際しての飲食等に要する費用

・飲食物の詰め合わせを贈答するために要する費用

 

<逆に、接待飲食費に該当する費用>

・自己の従業員等が得意先等を接待して飲食するための「飲食代」

・飲食等のために支払うテーブルチャージ料やサービス料等

・飲食等のために支払う会場費

・飲食店等での飲食後、その飲食店等で提供されている飲食物の持ち帰りに要する「お土産代」

 


最後に、大企業と中小企業の両方にかかわること、一人当たり5000円基準と、会議費についても触れておきます。

 

<一人当たり5000円基準>

1人当たり5,000円以下の飲食費で書類の保存要件を満たしているものについては、交際費等に該当しません。取引先との飲食費であっても、雑費などとして損金算入OKという基準です。

 

ただし、これについて一番誤解が多いのは次の点です。

社内の者同士で飲みに行った場合は、もちろん社内交際費であるので、5,000円基準は適用できないということ。交際費としてカウントされます。

一人でも社外の人を誘って、事業に関連ある飲み会をしましょう。

 

<会議費など似ている科目>

会議に関連して通常要する飲食費は、(1人当たり5,000円を超えても、会議に関連していると言えれば!)会議費と考えて、損金算入OKです。会議なので社内の者同士でもOK。でも常識の範囲内の金額です。

これは、ランチや茶菓子、弁当などを想定しています。

ランチミーティングなどよく言いますが、昼食の程度を超える豪勢な食事は、会議費であるといえなくなり、交際費としてカウントされる可能性があるみたいです。

この点、「ランチミーティングに酒類が提供されると、それは交際費だ」など言われるみたいですが、国際化と謳っているわりにそのようなことをいうのはナンセンスだと個人的には思っています。

 


以上となります。

 

まず事業に関連しているのが前提ですね。次に社内の人だけだと基本的に経費にはならないということ。

 

あと、5000円のところが、特例が付け足された感があって、何だかわかりにくいですね。

・事業関連性がある支出で、取引先との、会議ではないただの飲食(何それ?プライベートの会話か)は、一人当たり5000円以下であれば経費にしても良い(しかも交際費とカウントされない)。

・事業関連性がある支出で、取引先との(あるいは社内の者同士での)会議である、と言えれば一人当たり5000円超でも、びっくりするほど豪勢でなければ、経費にしてよい(しかも交際費としてカウントされない)。

といったところでしょう。

 

まあ、ここまで説明して何ですが、5000円以下の経費を調査ですごく突っ込まれるということはあまりないかと思います。何だかグレーなものは、とりあえず一人当たり5000円以下で済ますというのが良いかと思います。

 

それでは。

難易度 やさしい < ふつう < 少し細かい
難易度は、経理初心者~若手経理ご担当者の方くらいを目安にしています。

 

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