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【税務】決算賞与のポイント (難易度:ふつう)

2016年09月8日

随分、更新が空きましたが、実務上、気になるところを改めまして書いていこうと思います。

 

さて有名な節税方法に「決算賞与」というものがあります。

通常の夏・冬の賞与と異なり、簡単にいうと、利益が出過ぎたから、期末月に駆け込みで、特別に従業員賞与を出して、利益を圧縮・節税するという方法です。合法的な利益操作といえます。


合法的なものですから、いくつか覚えておきたいポイントがあります。

①すべての従業員に各人別に通知

②その通知した金額を通知で指定した日に支払う(事業年度終了の日の翌日から1ヵ月以内)

③損金経理(未払計上)する

④役員には出せない

⑤決算賞与にかかる社保の会社負担分は、当期は損金にならない

給与規程の文言によっては否認される可能性がある


このようなところでしょうか。今回、この決算賞与のポイントについて解説するのは、いろいろと本や、インターネットの情報で探しても、具体的に説明したものが無かったからです。それが①です。

具体的に、ご質問にあがってくるのは、「入社日が浅く、支給額がゼロの人がいたとしてもでも通知しなければならないのか」という点です。

会社にとっては、節税のために決算月に駆け込みで行っている調整なのに、その後の税務調査で指摘されたらたまりません。なので、些細なことでも慎重になります。

こういったところをしっかりケアしていきたいところです。

答えは「支給額がゼロでも、ゼロです、として通知する」です。すべての従業員に通知が要件だからです。

これを言いたかったから、書きました。あとは簡単に解説します。


②「通知した金額を通知で指定した日に支払う」

→これ、金額が1円たりともズレてはダメです。否認されます。

③「損金経理(未払計上)する」

→当たり前です。

④「役員には出せない」

→役員は定期同額給与、事前確定届出給与という縛りがあるからです。

⑤「決算賞与にかかる社保の会社負担分は、当期は損金にならない」

→社保の支払義務が確定するのは実際に賞与支給があった日の月末だからです。

⑥「給与規程の文言によっては否認される可能性がある」

→よくネットで落ちているようなテンプレートの文言は以下の通り。

『賞与は、支給算定期間に在籍し、かつ賞与の支給日に在籍している社員に支給する。』

これですと、支給日に在籍していない場合は支払わないことになりますが、ポイント②の「通知した金額を通知で指定した日に支払う」と矛盾します。よって、以下のように文言の工夫が必要になります。

『(決算賞与)第○○条 会社は業績に応じて決算賞与を支給することがある。支給する場合は、毎年○月末までに支給額を決定し、翌月末までに支給する』


以上です。決算賞与は私の周りでは、頻繁に出されています。ポイントを押さえてうまく利用すると良いと思います。

それでは。

 

難易度 やさしい < ふつう < 少し細かい

難易度は、経理初心者~若手経理ご担当者の方くらいを目安にしています。

 

 

 

 

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